ワインのABC 2014 4 20
書名 ワインの便利手帳
著者 井出 勝茂(監修) ナツメ社
昔は、ワインというと、
デパートに置いてあるぐらいなものでした。
しかし、今は、スーパーで、
大きな陳列棚を設置して、
ワインを100種類以上も展示してある店舗があります。
しかし、売れていないと思います。
ワイン売り場を見ていると、通過していく客が多く、
消費者にとっては、大きな陳列棚も、
単なる「風景」になっているかもしれません。
なぜ、売れないか。
消費者にワインの知識がないだけでなく、
店員にもワインの知識がないからです。
往々にして、人間というものは、
目の前に、大量の商品があっても、
商品に関して知識がなければ、
判断しない、あるいは思考停止の状態となります。
つまり、「買わない」ということになります。
せめて、スーパーの店員が、
ワインの知識を持っていれば、状況は変わるでしょう。
そこで役立つのが、この本でしょう。
本の値段は、1,000円(税別)で、
本のサイズは、なんとかズボンの後ろポケットに入る大きさです。
本の内容は、パッと見てもわかるように図鑑のような構成となっています。
これならば、忙しい店員にも使いやすいと言えるでしょう。
最近、よく見かけるようになった、
「コノスル(Cono Sur)」というワインがあります。
確かに、このワインは、「安くて旨い」ワインと言えるでしょう。
しかも、ブドウの主要品種ごとに「安くて旨い」ワインがあります。
ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ。
ピノ・ノワール、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー。
こうなると、ブドウ品種による飲み比べができるでしょう。
「自分には、どの品種が合うのか」は、
実際に飲み比べてみないとわからないものです。
有名な評論家に勧められても合わないものは合わないのです。
やはりワインには相性というものがあります。
さて、日本のワインについても書いておきましょう。
あまりワインを飲んだことがない人が、
いきなりフルボディの赤ワインを飲んでも、
戸惑うことになると思います。
そもそもフルボディとは何かわかりにくいと思います。
フルボディとは、ビールで言えば、
「エビスビール」のような味でしょうか。
ビールが好きな人には、エビスビールは最高でしょうが、
そうでない人には飲みにくいでしょう。
これで、大雑把ですが、フルボディについては、
だいたい見当がついたでしょう。
いずれにせよ、フルボディのワインは、
日本人の初心者には飲みにくいと思います。
そこで、今日、お勧めするのは、
「信州 桔梗ヶ原だより(ききょうがはら)」の赤ワインです。
このブドウの品種は、コンコード種です。
味に透明感があり、飲みやすいものとなっています。
ビールで言えば、「スーパードライ」のような味でしょう。